第25期バックギャモン名人戦 北信越予選

nishiken

2019年03月16日 14:42

日本バックギャモン協会(JBL)主催のタイトル戦の一つ「名人戦」。ロングマッチ一本勝負がコンセプトのこのタイトル戦は、最初に予選リーグが各地で行われ、勝ち上がった人たちで32枠のノックアウト方式の決勝トーナメントという形で一年を通じて進行する。私は2012年に長野に移住してから暫くはオンライン予選に参加してきたが、出来れば地方予選を開催したいと願い、同じく地方予選の開催を切望していた北陸と交流も兼ねて協力し合い、プレイ人口は少ないながらもなんとか頭数を揃えて2年ほど前から合同で1枠を賭けて予選が行われるようになり、早速その予選通過者からタイトルホルダーを(もう一つのタイトル戦「盤聖戦」で)輩出するなど、バックギャモン界の盛り上がりに一役買うべく奮闘している。今期も信州3名と北陸2名による予選が現在進行中だ。



私は目下3勝0敗で自力優勝に王手が掛かった状態で、2位のヒカルリさんとの直接対決を控えている。ヒカルリさんは1勝0敗なので残り3戦を全勝すれば優勝、私に勝っても他の人に負けるとプレーオフ以下となり、3位のゆみるさんも残り全勝かつ私がヒカルリさんに負ければ3勝1敗同士でプレーオフの可能性がある。4位以下の2人は既に2敗しているので優勝の可能性は無くなった。
予選を勝ち上がって決勝トーナメントに進出し、そこで5回勝てば晴れて名人のタイトル獲得となる。もちろん対戦相手は各地の予選を勝ち抜いた強豪なので地方予選より強い相手が待っているが、今まで信州から参加した人でタイトルを獲得した人はいないのでぜひその栄誉は欲しい。(信州出身だと元JBL代表のしもへいさんが獲得している)
ヒカルリさんは若くてギャモン歴もまだ浅いが優秀なプレイヤーで、前回盤聖戦で対戦した時は向こうのホームグラウンド謎屋珈琲店で死闘を繰り広げた結果破れた苦い思い出がある。ぜひ今回はあの時の借りを返したいところだ。

当初は北陸からは4名が参加して7名のリーグになる予定だったが、多忙のため途中で2人棄権した。この2人はまだ対戦が未消化だったので影響は殆ど無いが、既にある程度リーグ戦が進行した状態で棄権ということで、プレーオフの可能性がまだほんの少し残されていた沖増さんがこれで敗退確定になってしまう等、若干後味が悪い結果となってしまった。もっとも私には逆に有利に働いたわけだが。
予選の開催には決勝枠数に応じた参加費を協会に支払う必要があり、参加者で等分する形で参加費を徴収しているのだが、一応棄権した2人も参加費を負担してくれるとのことで、自分としてはそれは申し訳ないので辞退したいと思いつつ、他のメンバーにそれを強いるわけにもいかないので難しいところ。特に前述の沖増さんにはこの二人の棄権によって敗退が確定した上に参加費が増加となると納得行かないだろう。

でもそれ以上に残念なのは、このタイトルが棄権した二人にとってそれほど魅力的では無かったのかもしれないということ。そもそもこのタイトル戦自体、かなり内輪で盛り上がっているイベントという感が否めない。もっと皆が興味を持って参加したくなるようなイベント、権威あるブランドにすべくプロデュースしないといけないのに、外部の人がまず読まないであろう掲示板と、会員しか読めない会報でしか途中経過が確認出来ないし、運営側もそういったイベントが進行していることを積極的に情報発信しているようには思えない。まあWEBで過去の記録が保存されたり、優勝者の写真がバナーに飾られたり(これは当時担当の神さんGJだと思う)以前に比べればマシにはなったと思うけど。

金沢でも一時期に比べて例会の頻度や参加者数が落ちているみたいだし、少しバックギャモンが下火になっているのかもしれない。今回参加している2人や取りまとめをしてくれている所村さんは非常に熱心でギャモン愛に溢れるプレイヤーだし、例会会場の謎屋珈琲店はとても魅力的な場所なのだが、それでも苦戦しているくらいにバックギャモンの普及は大変だ。その苦労は7年前から信州で普及活動を続けてきた自分も理解できるし、同じように今でも苦戦している。地方で普及するのは本当に大変だ。JBLがもう少し地方目線に立ってくれると良いのだけど、運営メンバーのほぼ全員が東京にいるせいか、彼らの提供するサービスはやっぱり東京中心になっていると感じざるを得ない。
ちなみに自分がネット予選の運営を手伝った時には、参加者がどの地域から参加しているかを掲載することを重視していた。これは自分が地方にすむようになって初めて分かったことだけど、地方出身(在住も)者はその地方を応援したいという思いが強く、名前が全国区に出ることを喜ぶ。なので地方を背負って戦うイベントにすることで、参加したくなるモチベーションを高める狙いがあった。甲子園とか良い例だし、最近はポーカーがこの辺上手くやってるなと感じる。あともう一つ、例えばバックギャモンに興味を持った人が現れた時に、自分と同じ地域に住んでいる人が全国区の大会に出ていれば、仲間を探す手助けになるのではないかという、隠れプレイヤーを掘り起こす狙いもあった。担当が変わってからこういうところが全く重要視されなくなってしまったのは非常に残念だ。

関連記事